――DESIGNER INTERVIEW――
アレもコレもできたらの
ヨクバリからうまれた
アシンメトリーなデザインや
新しいブランド
- − ファッションを志すきっかけとなった出来事は何でしょうか?
- 画家の母、宝石彫金のデザイナーの父の影響で絵を描くことが大好きでした。それをカタチにしたいと思って、7歳で絵画教室と、洋裁教室に通いはじめたのがきっかけです。モノをつくるのが大好きで編物などにもはまりました。
- − どういった女性像を想像して洋服を作っていますか?
- 女性でいうなら自立したcoolな方々です。甘々したアイテムは少し苦手で、でも本当はチョット好きなので甘いアイテムも色、素材、スタイリングでcoolにみせて作っています。
オトナのセクシーさとかっこよさと強さを表現しています。 - − 変形的なデザインをすることで、強い個性が生まれそうですが、変形的な中でアルネブというブランドは女性を綺麗に見せるシルエットとなっていますね。どうしたらそういう魅せ方ができるのでしょうか?
- 何千(何万かな?)もの服を作っては、失敗も沢山ありました。
若い頃は正直、腕が、背中がと言われても痩せたらいいじゃんとか思ってたりしていました(今思えば若気の至りでした…)
今では自分の身をもって体感しています。結局女性はワガママな生き物で、かわいいだけではダメ。着やすさ・シルエット・使い回し・悩みのカモフラージュなど、とにかく沢山の要望をもっていることを知りました。
アルネブでは人気のアイテムを追加生産する時など、デザインはそのままでパターンを調整しながらより良いシルエットにしていっています。
- − ユニセックスブランドのアンボスを立ち上げた経緯は何でしょうか?
- 「アルネブのアイテムが欲しい!」と男性のお客様からもご要望いただけるようになりました。
サイズが合えば男性のお客様も着ていただけるようになりました。しかし、レディースブランドという肩書きがある為に、「着たいんだけどちょっと恥ずかしい…」という声もチラホラ。
私は元々、「男性・女性・ジェンダー・高齢・中年・青年・少年」などの要素をあまり意識ないタイプです。
ファッションに制限はないと思っていて、自由にその日の自分を楽しむ為のアイテムだと考えています。なのでサイズさえ合えば、みなさんそれぞれのイロで自由に合わせて大切に着てくださればとっても嬉しく思います。 - − 異色の経歴があると聞きました。
- 私は体育学部出身で、インターハイ・国体・インターカレッジまでレギュラーで出場するハンドボーラーでした。(笑)
これは隠してたわけでもないのですが、全くそんな風に見えないらしく名刺の肩書きに書くくらい出していった方が良いと色んな方に言われまして自分でも驚きました。
保健体育の教育実習まで行ったとか、海で3キロ遠泳したとか言うとギャップがありすぎるようで、皆さんほんとにビックリされてます。
そんなこんなで卒業後はエアロビクス・アクアビクス・ジム・プールのインストラクターをしながら、レッスン以外の時間にはエステティシャンをしていたという経歴もあります。 - − 今後〈アルネブ〉というファッションを通して伝えていきたいことはありますか?
- アルネブは何年も大切にできて、古くならない服作りがコンセプトでもあるので、見た目だけではなく、素材や着心地までこだわり丁寧に作っています。
とても安価でワンシーズンで捨てられてしまう服も溢れていますが、いくら安価な洋服でも1枚1枚ヒトが縫っているし、更に前段階では生地作りも、その素材(例えば綿や、ウール)作りも、畑に種植えて、羊を育てて、とすべて沢山のヒトが関わって産まれてきます。 なぜこんなに安いのか?そこに早く気が付いて欲しいなと思っています。適正な価格で適正な賃金を支払うこと。1枚の服に関わったすべてのヒトがきちんと潤えるような、当たり前の状態に早くなればなと思う。アルネブもそのような大切なことを少しでもお伝えしながら作っていきたい。